抄録
日本消化器がん検診学会が策定した「胃X線検診のための読影判定区分(カテゴリー分類)」では, 要精検者の読影所見を病変存在の確からしさと悪性の疑いの強さに応じてカテゴリー(以下C)-3a, C-3b, C-4, C-5に分類する。宮城県対がん協会の平成27年度対策型胃がん検診受診者181,224人を用いた検討では, 要精検者10,365人(要精検率5.7%)に占めるC-3a, C-3b, C-4, C-5の比率は16.2%, 81.5%, 2.0%, 0.4%であり, C-3bが最も多かった。発見胃癌は334例(発見率0.18%)であり, C-3a, C-3b, C-4, C-5の陽性反応適中度は1.5%, 2.7%, 35.4%, 71.8%となり, C-3aからC-5の順に有意に高くなった。C-3a, C-4, C-5発見癌の多くは病変描出良好であり, C-3aでは粘膜内癌(M癌)が多く, C-4では粘膜下層浸潤癌(SM癌), C-5では進行癌が多かった。C-3bもM癌やSM癌が多いが, 多くは描出不良例や他部位チェックであった。カテゴリー分類は, 胃X線読影の精度評価のための指標となり得るが, その運用や活用についてさらに検討が必要である。