【はじめに】当院人間ドックの腹部超音波検査は, 超音波検査法フォーラムが推奨している基本走査法に即して施行し, 無所見時の記録断面は, 肝腎コントラスト, 胆嚢の長短軸像の3断面であった。腹部超音波検診判定マニュアルでは16断面以上を推奨しており, 記録断面を増加する必要とする意見もある。そこで, 超音波検査法フォーラムが基本走査法で提唱している基本断面のうち22断面を選び, 記録断面を増加させた前後での検査時間を検討した。
【対象・方法】当院人間ドック受診者に対して施行した検査, 従来方式の記録断面が3断面の検査92例, 新方式の記録断面が22断面の検査102例について検討した。
【結果】従来方式が中央値9分45秒, 新方式が中央値11分1秒であり, 従来方式の方が中央値:1分16秒の差を以って有意(p:0.002)に検査時間が短かった。また, 1つ以上の有所見群について同じ検討を行うと, 従来方式の方が, 中央値:1分26秒の差を以って有意(p<0.001)に検査時間が短かった。
【結語】腹部超音波検査の記録断面を増加させると検査時間は増加するが, 必要な断面を記録するために施設全体で対応を検討すべきである。