日本消化器がん検診学会雑誌
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症例報告
大腸がん検診を契機に発見された上行結腸平滑筋肉腫の1例
野村 栄樹菊地 達也渋谷 里絵
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2019 年 57 巻 2 号 p. 186-194

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抄録

75歳女性。自覚症状なく大腸がん検診便潜血検査陽性のために施行した大腸内視鏡検査で上行結腸に隆起性病変が指摘された。腫瘤は30mm大の亜有茎性病変で, 頂部は陥凹し陥凹内隆起を呈していた。陥凹部からの生検病理検査で悪性間葉系腫瘍が疑われた。CTでは腫瘤は強い造影効果を伴い, 周囲への浸潤や遠隔転移所見は認めなかった。当院外科で右半結腸切除術が施行された。切除標本の病理組織学的検査では, 紡錘形細胞の束状増殖, 核分裂像, 静脈侵襲を認め, 免疫組織化学染色でそれらの腫瘍細胞はdesminとHHF35がともに陽性, c-kitおよびCD34は陰性で, 平滑筋肉腫と診断された。間葉系腫瘍診断に免疫組織化学染色が主流となった2001年以降, 真の大腸平滑筋肉腫は稀であり, 発見契機としては血便や腹部膨満感等, 腫瘍が巨大化してからの自覚が多く, 本症例のように検診契機の発見例は他に認めなかった。検診により比較的早期の段階で発見, 診断された貴重な症例であり報告する。

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© 2019 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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