2020 年 58 巻 4 号 p. 353-363
【背景・目的】大腸内視鏡の有効性は右側大腸で劣るため,右側大腸の慎重な観察は重要である。本研究は右側大腸反転観察の初期導入の詳細を検討した。
【方法】大腸内視鏡検査で右側反転観察を試みた連続100例を対象とした。肝彎曲までの右側大腸で反転観察を追加し,反転成功率,観察時間,発見病変,粘膜損傷などを検討した。
【結果】反転成功率は71%であった。観察に要した平均時間は,最初の前方視1分45秒,追加の反転観察55秒であった。右側大腸のポリープの発見数は反転を加えると50から59病変に増加した。軽微例も含め粘膜損傷は12例で発生,うち10例は反転を戻す際に発生した。また横行結腸で戻すと多く発生していた。
【結論】反転による上乗せ発見病変があり,反転で初めて視認できる病変が存在する。粘膜損傷は特に反転を戻す際に注意する必要がある。精度の高い検査を行うため,反転観察追加は選択肢のひとつになると考えられる。