2020 年 58 巻 5 号 p. 436-445
60歳,女性。胃X線検診で体部大彎に有茎性隆起あり,近医で上部消化管内視鏡(EGD)施行。表面性状は正常で,表面に陥入部を伴う2 cm前後の山田分類IV型ポリープを認め,生検で炎症細胞浸潤のみであり,hyperplastic polypとしては内視鏡所見が非典型的であり紹介となった。当科EGDでも同様で,陥入部からの生検でGroup 1であったが,超音波内視鏡検査で主座は第3層で内部に多房性無エコー域を認め,hamartomatous inverted polyp(HIP)が疑われた。今回以前の他の検診機関での胃X線検診及びEGD施行歴を聴取し,問い合わせにて11年前の検診で体部大彎にポリープが疑われEGDにて1 cmの正色調のポリープを認めていた。HIPが疑われ検診フォローとなり,4年前の再検で2 cm前後に増大し,前年度もほぼ不変であったがHIPにて検診での経過観察になっていたことが判明した。緩徐ながら増大傾向にあり,切除の希望もありpolypectomyにて切除した。病理診断にて表層は異型のない腺窩上皮からなり固有腺の陥入が随所にみられ粘膜筋板の錯綜を伴っていた。粘膜下層に多数の拡張した腺管と周囲の線維筋成分の増生を認めHIPと診断した。