2021 年 59 巻 2 号 p. 185-192
症例は58歳,女性。2017年12月当院人間ドックでの腹部超音波検査で,脾動脈幹近位リンパ節と肝十二指腸間膜内リンパ節の腫大を指摘され,胃X線検査で胃に潰瘍性病変と粘膜ひだの肥厚を認めた。上部消化管内視鏡検査で胃角部から体部にかけて全周性の粘膜ひだの肥厚と不整形の潰瘍を認めた。胃壁の伸展は良好であった。潰瘍部位からの生検でびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma;DLBCL)の診断となり,血液内科の専門病院へ紹介となった。精査の結果,Ann Arbor分類III期のDLBCLの診断となり,リツキシマブ併用CHOP療法を計6コース施行し,完全寛解を得た。腹部超音波検査における詳細な観察・知識と胃X線検査の丹念な読影が発見につながったと考えられた。