2025 年 63 巻 1 号 p. 40-48
【目的】人間ドック受診者を対象としたAI(artificial intelligence;AI)大腸内視鏡による大腸腫瘍(腺腫・癌)の検出能を後ろ向きに検証し, AI大腸内視鏡の有用性を検討した。
【対象および方法】対象は2021年11月~2022年11月まで, 人間ドックにてスクリーニング目的で行われた全大腸内視鏡検査初回受診者365名を対象とした。AI大腸内視鏡の使用群AI(+)と未使用群(AI(-)に分け, 両群間における観察時間および大腸腺腫発見率(ADR:adenoma detection rate)を比較した。独立変数を年齢(60歳以上/60歳未満), 性別, AIの有無, 観察時間とし, 従属変数を腫瘍発見の有無としてロジスティック回帰分析を行った。
【結果】対象者はAI(+)に男性がやや多く, 平均年齢に差は認めなかった。AI(+)のADRは44.0%(131/298), AI(-)のADRは37.3%(25/67)であり有意差は認めなかった。ロジスティック回帰分析では60歳以上, 観察時間9分以上で腫瘍発見のオッズ比が有意に高かった(オッズ比[95%信頼区間]=2.24[1.220-4.120], 3.98[2.540-6.240])。
【結語】AI大腸内視鏡の使用で観察時間の延長はなかった。熟練内視鏡医において, AI大腸内視鏡によるADRの上乗せ効果はあるものの有意な向上は認めなかった。