日本消化器がん検診学会雑誌
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特集:消化器がん検診の精度管理
大腸がん検診でより確実な死亡率減少を達成するには
松田 一夫
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2025 年 63 巻 3 号 p. 357-364

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抄録

日本では1992年から年1回の免疫便潜血検査(FIT:fecal immunochemical test)2日法による大腸がん検診を開始し, 1996年頃から年齢調整死亡率が減少して来た。一方, 米国では主に大腸内視鏡検査, その他多くの国ではFITによる大腸がん検診が行われ, 主要7か国の日本以外や韓国では日本以上の死亡率減少を達成している。

FITによる大腸がん検診の効果は確実であるが, 日本で十分な効果を上げないのは, ①低い精検受診率:地域保健・健康増進事業報告(2021年)による40~69歳の精検受診率は69.9%, ②低い受診率:国民生活基礎調査(2022年)の受診率は45.9%, ③体制の不備:職域のがん検診に法的規定がなく, 受診出来ない人がいることに加えて国民全体の正確な受診率を把握できないことが原因である。

喫緊の課題は精検受診率向上である。便潜血が陽性となれば大腸内視鏡による精検が必要であることを周知し, 地域・職域においてすべての人が大腸がん検診を受けられるよう職域におけるがん検診の法制化と組織型検診の導入が必要である。

内視鏡による大腸がん検診の有効性が確かとなり導入する際にも, 高い精度に加え高い受診率が求められる。

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© 2025 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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