多くの大腸がんは, 10-30年という長い時間をかけて腺腫からがんへと発育進展していく。その中で, 1cm以上の大きさを持つ高リスク大腸腺腫と粘膜内にとどまる早期の大腸がんは内視鏡的治療のよい適応である。したがって, 大腸腺腫を含む大腸がんの早期診断は, 大腸がんの克服に向けた有力なアプローチであると考えられる。現在, 大腸がんの対策型検診として免疫法便潜血検査が行われているが, 偽陽性率が高く, また早期大腸がんや高リスク大腸腺腫に対する感度も十分ではないことから, 簡便でより精度が高い大腸がん早期診断法の開発が急務である。血液中には遊離DNA, タンパク質, 自己抗体, マイクロRNA, エクソソームなど様々な分子が含まれており, 早期診断バイオマーカーの探索と開発が盛んに行われている。本稿では, 血液バイオマーカーを用いた大腸がん早期診断の現状と将来の展望を概説する。