日本消化器がん検診学会雑誌
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特集:膵がん検診の確立を目指して
各施設の試み~膵がん検診~ 膵癌スクリーニングと膵癌ドックの現状および当科の取り組み―早期発見を目指した画像診断と症例からみたその有用性―
加藤 宏之多代 尚広加藤 悠太郎花井 恒一山本 智支橋本 千樹伊東 昌広堀口 明彦
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2026 年 64 巻 3 号 p. 465-472

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抄録

膵癌は依然として予後不良であり, 5年生存率は約8%に留まる。また腫瘤形成が緩徐で自覚症状に乏しいため, 診断時には進行例が多い。一方, 腫瘍径1cm以下の微小膵癌や上皮内癌(PanIN, Stage0)では予後良好であることが示され, 腫瘤非形成期の段階で異常を捉えるスクリーニング戦略が求められている。MRI/MRCPは主膵管狭窄や分枝膵管不整, さらにDWI・ADC mapによる拡散制限を通じて腫瘤非形成期の微小変化を捉える点で有用である。一方, 通常の腹部超音波検査(US)は膵尾部描出が不良であるが, 飲水法により音響窓が安定し, 嚢胞性病変検出率の向上が期待される。当科では飲水法によるUSとMRI/MRCPを組み合わせた膵癌ドックを運用し, 36例中5~6例に嚢胞性病変を確認した。また, 腫瘍マーカーを含む多角的アプローチにより, MRCPで膵管異常を示さず, DWI/ADCでのみ描出された5mmの微小膵癌を検出し, ロボット支援下膵体尾部切除により根治切除し得た。これらより, 腫瘤形成以前の徴候を重視したMRI中心の診断体系と, 飲水法によるUSを組み込んだスクリーニングは, 早期膵癌の拾い上げに極めて有用と考えられた。

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