2026 年 64 巻 3 号 p. 473-480
胃がん検診への国庫補助開始は1966年(昭和41年)からであった。しかし, 我が国の胃がん検診は科学的な証拠があってスタートした訳ではなかった。がん研究助成金による胃がん検診の研究班活動は, スタートしていた胃X線検査による胃がん検診プログラムに対する関係者による症例対照研究2編という後追いの疫学研究によって評価がなされた。便潜血検査を用いた大腸がん検診に対しては1992(平成4)年の老健法第3次計画における大腸がん検診導前に, 研究助成金による大腸がん検診班において症例対照研究によって大腸がん死亡率減少効果を見出したことが経緯となっていた。このように, 学問の進化によってようやく根拠に基づく公共政策の方向性が認められるに至った。