日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
総説
歴史に学ぶがん検診―老人保健法の時代から健康増進法・がん対策基本法の時代へ―
渡邊 能行
著者情報
ジャーナル 認証あり

2026 年 64 巻 3 号 p. 473-480

詳細
抄録

胃がん検診への国庫補助開始は1966年(昭和41年)からであった。しかし, 我が国の胃がん検診は科学的な証拠があってスタートした訳ではなかった。がん研究助成金による胃がん検診の研究班活動は, スタートしていた胃X線検査による胃がん検診プログラムに対する関係者による症例対照研究2編という後追いの疫学研究によって評価がなされた。便潜血検査を用いた大腸がん検診に対しては1992(平成4)年の老健法第3次計画における大腸がん検診導前に, 研究助成金による大腸がん検診班において症例対照研究によって大腸がん死亡率減少効果を見出したことが経緯となっていた。このように, 学問の進化によってようやく根拠に基づく公共政策の方向性が認められるに至った。

著者関連情報
© 2026 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top