日本消化器がん検診学会雑誌
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総説
膵癌ハイリスク群の絞り込みとサーベイランス
大野 栄三郎廣岡 芳樹
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ジャーナル 認証あり

2026 年 64 巻 3 号 p. 481-490

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抄録

膵癌(浸潤性膵管癌:PDAC)は近年増加傾向にあり, PDACの予後改善のためには根治可能な早期の段階で診断する必要がある。進行期まで症状が出現しにくいPDACを早期に診断するためには, PDACのハイリスク群を対象とした効率的なサーベイランスの実施と, PDAC早期診断に有用なバイオマーカーの確立が必要である。膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は膵癌のハイリスク群とされ, 2024年に改訂されたIPMN国際診療ガイドラインではIPMN患者における経過観察の方針が示された。一方で現時点ではIPMN併存PDAC発症の危険因子として年齢以外は解明されておらず, 低悪性度IPMN患者に対しても継続的なサーベイランスが必要である。膵癌早期診断のためにはPDAC発症ハイリスク群の更なる絞り込みが急務となっている。IPMN以外にもPDAC発症のハイリスク群として家族性膵癌や遺伝性腫瘍症候群のように遺伝的な素因を有する患者群が挙げられる。これらのPDAC発症のハイリスク群に対して, 定期的なサーベイランスの実施と並行した新規膵癌早期診断バイオマーカーの探索が将来の早期膵癌診断の道を拓くと考えられる。

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