東京都八王子市では, 2018年度より胃がん内視鏡検診を導入した。その後, X線検診との併用を経て, 4年目の2021年度にはX線検診を廃止した。胃がん検診の受診者は2017年度のX線検診単独時の7,555名から2022年度の内視鏡検査単独時には8,579名に増加した。併用期間中, 検診対象者の95%が内視鏡検査を選択したことからも, 内視鏡検査が胃がん検診の受診率向上に寄与したと言える。5年間における胃がん内視鏡検診の延べ受診者数は37,558名, 累計で151例の胃がんが発見され, 122例が早期がん(うち87例は粘膜内がん)であった。またプロセス指標である精検受診率は100%, 生検実施率は4.9%, 要精検率は5.2%, がん発見率は0.40%, 陽性反応適中度は7.7%であった。これは2018年度から2022年度までの5年間の全国や東京都全体と比較しても良好なデータであったと言える。八王子市医師会が独自に実施する二重読影体制をはじめ, 行政と連携した高い精度管理体制の構築が, 市民への胃がんによる死亡率減少に貢献したと考えられる。
八王子市と八王子市医師会が導入した胃がん内視鏡検診の5年の軌跡について, 導入経緯, 実施方法, 実績, 精度管理体制を維持, 向上させる取組について報告する。