胃がんX線検診において前壁撮影は手技や胃形により画質に影響が出やすい。特に変形胃の症例や腸管へ流出したバリウムによる障害陰影,胃内の空気量が足りない場合にその影響が顕著となる。そこで,変形胃に対する圧迫用フトンの挿入方法,巡回検診等で使用される船底天板での注意点,変形胃に対する圧迫用フトン使用方法の違いによる区域描出能の比較検討,特に変形が強く撮影が困難な場合の前壁撮影の一例,変形胃以外で網羅性が損ねられる場合の対処法などについて,撮影が上手くいかなかった症例とその改善例について記した。検査時間や装置設備に制限がある対策型検診において,前壁撮影の改善のためには,撮影担当者間での判断法や手技について情報共有し,ある程度統一をするなどの戦略をもって撮影に臨むことが重要である。