2026 年 64 巻 5 号 p. 786-800
【背景と目的】胃がんX線検診における追加撮影とは,標準体位および規定撮影枚数内で胃粘膜領域が十分に描出されない場合に施される場合と異常所見の再現性を高めるために施される場合の2種類があり,病変の正確な描出と正確な網羅性を目的としている。しかし,その具体的手技や撮影法は撮影者の経験や知識に依存しており,技術レベルの差が課題となっている。本著では,胃形や検査状況に応じた追加撮影の手技とその必要性,ならびに追加撮影を要する判断基準の明確化を目的とした。
【対象と方法】対象は,瀑状胃,牛角胃,前庭部後壁の屈曲などの胃形条件により追加撮影を要する症例,および大彎ひだの異常形成や前壁撮影困難例とした。さらに,異常所見を伴う症例に対し質的診断を目的とした追加撮影の有用性について,case studyにて解説した。
【結果と結論】追加撮影を要する症例では,体位変換,適切な撮影体位の選択,圧迫法,呼吸調整,バリウム量の調整などを組み合わせた撮影手技が重要であった。また,バリウム流出,空気量の過不足,blind領域への対応についても症例ごとの工夫が求められた。これらを適切に実施することで,診断精度の向上が認められた。