抄録
当センターで発見された胃癌症例(140例)ならびに癌検診受診者における非胃癌検診者(206例)について,血清ペプシノゲン(PG), Helicobacter pylori(HP)IgG抗体を測定し,胃癌スクリーニング検査としての有用性を検討した。PGのカットオフ値をPGI70ng/ml以下かつPGI/II3.0以下にすると,胃癌の陽性率72.9%,非胃癌検診者の陽性率が23.3%であった。これは男女で差なく,年代別で39歳以下に,陽性率75%,非胃癌検診者にて陽性率が15%と低かった。また組織型による分化,未分化と進行度による早期,進行で陽性率に差はなかった。HP抗体陽性率は,胃癌において82.1%であったが,非胃癌検診者の陽性率が59.2%と高値であり,胃癌スクリーニングとして不適と思われた。HP抗体とPG法の組み合わせでは,上記カットオフ値によるPG法単独が最も診断効率(感度+特異度)が優れていた。