抄録
受診者の利便を図り, 受診率の向上を目指して導入された個別検診は, 精密検査の対応を含め多くの問題点を抱えている。そこで個別検診のシステムについて官庁統計とアンケート調査をもとに検討した。
内視鏡を保有する医療機関と精検受診には有意の相関が見られ, 医療機関の整備は精検受診を高める可能性が示唆された。個別検診の精検を促進するには, 内視鏡検査が行える精検機関の確保と共に, 精検受診者への情報開示が必要である。また精検受診には医療機関の連携により, 精検受診者が円滑な受診を勧めるために適切な勧奨や受診への便宜を図るべきである。また, 感染症対策や安全性の確保など精検機関の環境整備も今後の課題である。しかし個別検診の導入にあたっては地域の医療特性を考慮し, 検討すべきと考えられた。