抄録
わが国の間接X線による胃がん検診の死亡率減少効果について, これまで三つの症例対照研究が報告されており, いずれも検診の有効性を示唆している。三つの研究の「受診歴なし」に対する「受診歴あり」のオッズ比 (95%信頼区間) を, メタアナリシスの手法を用いて要約すると, 男性で0.39 (0.29-0.52), 女性で0.50 (0.34-0.72) と推定された。一方これらの研究には, 基本集団の定義が不明確なものがある他, 自己選択バイアスやヘルシースクリーニーバイアスが制御されていないという問題点がある。検診の有効性をより正確に評価する目的で, コホート内症例対照研究を進行中である。症例27例, 対照270例による予備的結果では, 自己選択バイアスを生じさせる可能性のある要因を補正した1年前受診のオッズ比 (95%信頼区間) は0.20 (0.04-0.96) であり, 検診の有効性を示唆していた。