日本消化器集団検診学会雑誌
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便潜血検査陽性にて発見された嚢胞状腸気腫症の一例
古川 浩一上村 朝輝
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2000 年 38 巻 6 号 p. 700-703

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抄録
症例は48歳, 女性。 検診便潜血検査陽性にて精査目的に当科受診。 注腸検査ならびに大腸内視鏡検査にて右半結腸を中心とした嚢胞状腸気腫症 (pneumatosis cystoides intestinalis, 以下PIC) と診断された。 出血源となる病変が他になく, 病理組織所見上も病変部に高度の鬱血所見を認め, PICにより便潜血検査が陽性となったものと判断された。 PICは腸管粘膜下や奨膜下に多数の含気性嚢胞が形成され, 種々の腹部症状を呈する比較的稀な疾患であるが, 大腸がん検診の普及に伴い今後, 遭遇する可能性のある疾患として留意する必要があると考えられた。
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