日本消化器集団検診学会雑誌
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胃がん拾い上げにおける内視鏡検査の精度
細川 治服部 昌和武田 孝之渡辺 国重藤田 学
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キーワード: 内視鏡検査, 偽陰性, 胃がん
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2004 年 42 巻 1 号 p. 33-39

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抄録

X線検査に代わり, 内視鏡検査が胃がん拾い上げ方法の主流となったが, 見落としの問題は未解決である。胃内視鏡検査の精度を検討する目的で, 1984年から1995年の88,535件の胃内視鏡検査をわが国で最も精度の高い地域がん登録と照合した。343件の内視鏡検査では胃がんが発見されなかったが, その被検者が3年以内に胃がんとがん登録され, 偽陰性であったことが判明した。同期間に1,201件の真陽性検査が実施され, 偽陰性率は3年の単位で22.2%と算定された。偽陰性率は後半に増加し, 男性被検者, 10年未満の経験の検査医で有意に高かった。また, 偽陰性中の進行胃がん比率は噴門穹窿部と胃体上部で高かった。内視鏡検査の偽陰性率は予想以上に高く, 胃全体を隈なく観察し, 小さく平坦な病巣も見落とさず, 的確な生検を行えるように, 内視鏡検査医に十分な研修を行う必要がある。

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