2025 年 2 巻 1 号 p. 2-6
次世代シーケンス手法の分析的妥当性を検証するためには、バリアント情報が既知のゲノムDNAを用いて、そのバリアントが正しく検出されるかどうかを検討する必要がある。Genome In A Bottle(GIAB)というアメリカ国立標準技術研究所(NIST)のコンソーシアムが公開しているヒト標準ゲノムのベンチマーク用バリアントは、分析的妥当性の検証に最適である。ここでは、われわれの実施例を元に、次世代シーケンス手法の分析的妥当性の検証方法および結果、そして全国各施設で分析的妥当性の検証が可能であることを提示する。さらに、施設としての分析的妥当性、すなわち患者の表現型に基づいて病的バリアントを正しく検出できるかどうかについて、われわれが今回イギリスのGenQAという外部精度評価(EQA)機関を利用した例を示し、バリアントデータを用いた次世代シーケンス手法の分析的妥当性の検証方法について考察する。