2025 年 2 巻 1 号 p. 23-26
わが国では2019年に固形がんを対象にしたがんゲノムプロファイリング検査(以下、CGP検査)が保険適用となり、5年が経過した現在(2024年12月)では日常の診療に浸透しつつあります。また、最近では造血器腫瘍を対象としたパネル検査の開発や、がん・難病等の克服を目指した全ゲノム解析の推進計画など、新たな展開が進んでいます。
がんゲノム医療の開始からその運用構築や精度管理に携わってきた上で、今後さらに転換期を迎えようとするゲノム医療の現場において、より柔軟に対応できるスキルを身につけたいと考え、本認定試験を受験致しました。
認定試験を経験して有意義であったことは、合格を目指す過程において、遺伝子診療全般の基盤となる知識を習得し、実務における検査結果をより俯瞰的に捉えることができるようになったことです。一人の検査技師として、自ら解析結果を解釈できるようになった強みを得たと共に、CGP検査を運営するチームの一員として、その役割を強化することへつながりました。
本稿においては、これまで主にがんゲノム医療に従事してきた経験に基づいて、認定制度の受験に至った動機や、感想などについて述べさせていただき、これから受験を考えていらっしゃる方のお役立ての一助になれば幸いです。