日本婦人科腫瘍学会雑誌
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Print ISSN : 1347-8559
症例報告
卵巣癌に偶発的に併存した子宮体部atypical placental site noduleの一例
山本 藤尾梶原 博小嶋 結今井 宏樹仲村 武河野 尚美沼崎 令子
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2022 年 40 巻 3 号 p. 179-187

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抄録

Atypical placental site nodule(APSN)は中間型栄養膜細胞より発生し,腫瘍性病変であるepithelioid trophoblastic tumor(ETT)の前駆病変とされる.今回我々は,偶発的に卵巣癌と併存したAPSNの1例を経験したので報告する.症例は39歳,2妊2産.1年2カ月前に経腟分娩した.2カ月前から下腹部痛,腰痛が出現し経腟超音波検査で10 cm大の卵巣腫瘍を認めた.診察所見,画像所見より卵巣癌が疑われたが,子宮内膜組織診にてトロホブラスト細胞を認め,ETTを疑った.付属器の術中迅速診断で腺癌の診断で,卵巣癌の術式に準じて単純子宮全摘術,両側付属器摘出術,大網切除術を施行した.摘出子宮の底部筋層内より1 mm大のトロホブラスト組織を認め,免疫組織化学染色より卵巣癌(高異型度漿液性癌)に併存したAPSNと診断した.APSN組織は完全切除されており,卵巣癌の治療に準じて術後化学療法の方針とした.本症例は偶発的にAPSNを診断したが,産後1年2カ月という経過も考慮すると先行妊娠との関連が考え得る.生殖可能年齢の患者においては,内膜細胞診あるいは内膜組織診に絨毛性病変を認める可能性があり,妊孕性温存の希望も含めた治療方針の決定が重要である.

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© 2022 日本婦人科腫瘍学会
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