日本婦人科腫瘍学会雑誌
Online ISSN : 2436-8156
Print ISSN : 1347-8559
原著
当院において転移性脳腫瘍を認めた婦人科悪性腫瘍の検討
中本 康介友野 勝幸宇山 拓澄森岡 裕彦関根 仁樹野坂 豪山﨑 友美古宇 家正工藤 美樹
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 42 巻 2 号 p. 182-188

詳細
抄録

概要:転移性脳腫瘍(以下,脳転移)は生存期間やQOLに大きな影響を与える.婦人科悪性腫瘍からの脳転移の発生は他がん腫と比較して稀である.今回,2008年1月~2020年12月までの間に,当院で診断,治療した婦人科悪性腫瘍を原発とする脳転移症例14例を対象とし,臨床的特徴,脳転移に対する治療,脳転移後の予後について後方視的に検討した.原疾患は子宮頸癌が3例,子宮体癌が5例,子宮肉腫が1例,卵巣癌・卵管癌・腹膜癌(以下,卵巣癌)が5例であった.単発の脳転移は4例,多発の脳転移は10例であった.単発群では手術療法を,多発群では放射線療法を中心に選択された.脳転移診断後の生存期間の中央値は子宮頸癌が2.3カ月,子宮体癌が3.7カ月,卵巣癌が32.5カ月であった.本検討では卵巣癌からの脳転移は他がん腫と比較して予後良好であった.また,単発群は27.7カ月で,多発群の3.4カ月よりも生存期間が長かった.一般的に脳転移後の予後予測にはRPA分類が使用され,今回の検討でも同様に予後予測は可能であった.脳転移は一般的に予後不良であるが,長期生存を認める再発症例が存在するため,積極的な治療も考慮される.

著者関連情報
© 2024 日本婦人科腫瘍学会
前の記事 次の記事
feedback
Top