2024 年 42 巻 2 号 p. 222-227
概要:症例は52歳,子宮頸部扁平上皮癌に対し広汎子宮全摘出術後,左閉鎖リンパ節への転移を認めIIIC 1期の診断となった.術後補助化学療法中にGrade 3の好中球減少が遷延するためPegfilgrastimを併用していた.抗癌剤投与後11日目から発熱があり,尿路感染症の診断で入院となった.各種培養検査は陰性であるがCRP上昇と発熱が継続し,造影CT検査で弓部大動脈の壁肥厚と周囲の脂肪織濃度上昇を認めた.自己免疫疾患関連検査は陰性でありPegfilgrastim誘発性大動脈炎と診断した.Pegfilgrastim投与後14日目より自然解熱し,CRPも改善したため退院となった.
G-CSF(Granulocyte-colony stimulating factor)製剤は化学療法中の発熱性好中球減少症の治療及び予防目的に広く使用されている.G-CSF製剤誘発性大動脈炎は2004年に最初の報告があり,2018年には添付文書の重大な副作用に追記された.化学療法中の発熱は感染症を第一に疑うが,G-CSF製剤の使用歴がある場合は大動脈炎も鑑別に挙げる必要がある.