2025 年 43 巻 2 号 p. 78-84
概要:婦人科悪性腫瘍の中で子宮原発甲状腺悪性腫瘍の報告は未だない.また甲状腺未分化癌は全生存期間の平均が6.8カ月程度と非常に予後不良であり,標準治療は確立されていない.今回我々は子宮原発異所性甲状腺未分化癌の再発病巣に対してレンバチニブメシル酸塩及びペムブロリズマブ併用療法が有効であった症例を経験したため報告する.症例は72歳女性.頻尿と尿意切迫感を主訴に当科受診し,子宮背側に骨盤内腫瘍を認めたため,子宮及び両側付属器摘出術を施行した.病理組織学的に子宮原発異所性甲状腺未分化癌と診断した.手術後早期に多発再発所見を認めたが,レンバチニブメシル酸塩が奏効した.PD-L1抗体陽性率が高値であったため,レンバチニブメシル酸塩及びペムブロリズマブ併用療法へ移行したところ,更なる治療効果を得た.その後も治療を継続し,再発から30カ月時点で部分奏効を維持している.子宮原発異所性甲状腺未分化癌は極めて稀であるが,レンバチニブメシル酸塩及びペムブロリズマブ併用療法は,有効な治療法である可能性が考えられた.