概要:症例は23歳の未経妊女性.3週間前から続く右下腹部痛を主訴に近医を受診したところ下腹部腫瘤を指摘され,婦人科疾患を疑われて当科に紹介となった.超音波断層法検査およびMRI検査では下腹部を占拠する径15 cm超の腫瘤性病変を認め,腫瘤は一部に嚢胞成分を伴った充実性腫瘍であった.また,全身の造影CTでは遠隔転移は認めなかった.卵巣悪性腫瘍を疑って試験開腹術を行ったところ,腫瘍は子宮後面の右側から発生した後腹膜腫瘍である事が判明し子宮や卵巣との連続性はなかった.腫瘍の位置から右付属器の温存が困難であったため後腹膜腫瘍および右付属器を同時に摘出し,子宮と左付属器を温存して閉腹した.術後の病理組織診断では摘出した腫瘍は後腹膜由来の平滑筋肉腫であった.本人や家族と十分に話し合って追加治療を行う方針とし,補助化学療法としてドキソルビシン単剤療法を6コース行って経過観察中である.