図学研究
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研究論文
〈虚の透明性〉再考
─《スタイン邸》における建築的プロムナードの顕現─
加藤 道夫
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2025 年 59 巻 2 号 p. 15-20

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抄録
 本研究ではコーリン・ロウの「虚の透明性」を彼の生涯にわたるル・コルビュジエ研究の系譜上で見直した.結果は以下のようになる.1)ル・コルビュジエとの出会いは『全作品集第1巻』と『ザ・スタジオ』誌の入手に遡り,そこに「建築的プロムナード」を見出した.2)「理想的ヴィラの数学」における《スタイン邸》の架構グリッドの分析が「虚の透明性」における「奥行きの浅い空間の集積」の数理的基盤を準備する.3)『全作品集第1巻』の《スタイン邸》の写真群を並べ替えると「建築的プロムナード」が浮かび上がる.4)「透明性─虚と実」において,《スタイン邸》の内部空間の特性を「奥行きの浅い空間の集積」と総括した.そこには直交する2方向が併存し,その間を縫うように横断する「建築的プロムナード」が認められる.5)最晩年にまとめられた「挑発的なファサード:正面性と対置」は,《スタイン邸》の「建築的プロムナード」の発展的継承である.
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