抄録
図学製図と機械製図の差異をはっきりさせるための教育論文で、副題として撮影、面取り、寸法に続いてCADを選んだ。図学は数学の一分野であるから、コンピュータの持つ諸機能の利用によって教育効果の上昇が充分に予想できる。一方、図形を取り扱うという点では両者に差異はないが、機械の分野の図面とは製作情報の伝達のために存在しており図を描くと共に製作情報の記入が必要となる。この製作情報の記入のためには機械工学の総合的な知識が必要で、この知識の欠落している者に図面の教育を行っても模倣教育の域を一歩も出ない。この点が理解されていない状況でコンピュータの登場である。大学、高専の機械系学科の卒業生の程度の知識では機械の図面は描けない。したがってコンピュータを使用したトレーシング実習を行っているのが機械製図におけるCAD教育の実態である。すなわち、コンピュー夕の導入により両者の溝が拡大してしまったわけである。本論文はこの溝をあきらかにすると共に今後のCAD教育の方向について提言するものである。