図学研究
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図形認知用動的教材の脳波に及ぼす効果―立体視図形による実験―
岡田 啓介清水 亮平佐久田 博司矢吹 太朗二宮 理憙伊東 由佳
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2004 年 38 巻 Supplement2 号 p. 57-60

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抄録
本研究は, 図形認知用の動的三次元コンピュータグラフィックスモデル (以下動的教材) と静的三次元コンピュータグラフィックスモデル (以下静的教材) を, 被験者の脳波に及ぼす効果を比較するために, 脳波の周波数解析により評価した.20歳前後の大学生の男女に対し, 同一条件の実験環境において, 動的教材と静的教材を用いて, 両眼視差を利用した立体視による図形認知を行わせ, その認知直前の脳波の周波数解析を行った.動的教材と静的教材を見た時の脳波のθ波 (4~8Hz) の含有量において, 静的教材の場合の方が高いことが, 統計検定より認められた.集中力の度合いを示すθ波の含有量が大きい静的教材を見て図形認知するより, 動的教材を見て図形認知するほうが, 集中力を要さずに図形認知できると考えられる.また, 両ケースとも各被験者について, 学習の効果が認められる.
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