図学研究
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3次元CADによる構想設計の教育とその効果
及川 和広村上 存
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2005 年 39 巻 Supplement2 号 p. 27-30

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抄録

3次元CADのフィーチャ・ベース・モデリングの特徴を生かして構想設計の教育を効果的に実施するには, 投影法, 2次元製図, 3次元CADが総合的に関連する教育を指向する必要がある.本研究では, 東京大学工学部機械系三学科で実施している3次元CADを利用した設計製図教育を, 2005年度前期の時点で構想設計教育の教育効果の観点から評価した.設計課題で作成した学生の3次元モデルについて, フィーチャの作成方法と設計意図の反映との関係, 3次元CADモデルと2次元CAD図面との関係, およびこれらに対する成績評価との関連を調査した.結果として, 適切に設計意図を反映した3次元モデルを作成したのは全体の2割程度であること, フィーチャの作成方法と2次元CAD図面の評価および設計の評価とは直接関係していないことが判明した.専門科目の講義, 実験・演習の関連を深めることによる教育効果の向上の必要性が学科の共通認識であり, 従来, 学部3年前期で実施していた機械工学実験を2年後期に前倒しして実施するのに合わせて, これと並行して製図教育と3次元CAD教育を2年後期から実施することとし, 以上の検討結果から, 教育内容を再構成した.新カリキュラムによる教育は, 2005年度後期から開始される.

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