図学研究
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ル・コルビュジエの建築表現法の変化―軸測図の台頭とその衰退
加藤 道夫
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2006 年 40 巻 Supplement1 号 p. 157-162

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抄録
ル・コルビュジエは1920年代後半以降, 軸測図を多用するようになる. しかし, 1930年以降その使用は著しく衰退する.本研究では, この問題に関して, メディアへの表出の観点から検証を行い, その要因についての考察を行った. その結果, 下記を指摘することができた. 1) 軸測図のメディアでの表出は, 1920年代の現象であり, 1930年代に入って著しく減少する. 2) 軸測図表出の衰退は, 少なくとも1930年代前半においては, 他の現代建築家を含む同時的事象というより, ル・コルビュジエに固有のものと考えられる. 3) その衰退の要因については, 素材の変容, 工法の変化, それに伴う, 建築形態の変化を挙げることができた.
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