抄録
近年、自動車メーカーや家電機器メーカー等の設計製図分野では、3次元CADでの設計が主流になっている。メーカーの用途によって、種々の3次元CADが使われている。ただ、3次元CADは形状の表示には優れているが、問題点も多い。例えば、機械設計分野などの製作図面に直すとき、寸法記入がうまく出ない。手直しの必要があるという事で、あまり効果を挙げていない。そういった問題が残されているが、実際にはどんどん普及している。大学においても3次元CADを教育する機関が増えてきている。そこで本研究では、図学・製図教育に積極的に取り入れるための研究を行った。ただ、3次元CADは図形の解析に難があるので、図形科学 (図学) の分野への導入を検討した。具体的には、図学の種々の作図問題を3次元CADで解析を行った。さらに、図学においても建築分野では1角法、機械の分野では3角法である。2つの方法は平面の扱いや陰影の扱いの点でうまくマッチしていない面もある。3次元CADを導入することで、1角法的な考え方と3角法的な考え方の統合を図った。