図学研究
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40 巻, Supplement2 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 長島 忍
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 1-4
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    数年前からの図法幾何学関係のソフトウェアを開発しているが、最近はデータ作成に重点を置き、図法幾何学の全問題をデータベース化する作業に取り組んでいる。本研究では、このソフトウェアの操作性に着目し、より使いやすいユーザインターフェースの実現を目ざした。全問題の問題文、問題の図、解答の図の一覧表示などが可能になった。これ以外に作図手順の抽出などで問題の特徴や難易度を事前に予測するなどの新しい試みが可能になった。
  • 倉田 和夫, 島森 功
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 5-10
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本稿は、CG、Webデザイン、映像編集などコンピュータを使うデジタルデザイン分野において共通するスキルとしてプログラミング能力が要求されるようになってきていることから、情報系の短期大学でデザインを専攻する学生へのプログラミング入門教育の新しい試みとしてCGソフトPOV-Rayを使ってプログラミングの思考法を理解させる教育事例を報告する。
  • シュロッカー ハンス=ペーター, 鈴木 賢次郎
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 11-16
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    3D-CADは実社会における設計において広く用いられるようになってきた.これに伴い, 形状設計において図法幾何学は無用になったとする意見も聞かれる.しかし, 本当に図法幾何学は無用になったのであろうか?また, 有用であるとすればどのような点において有用なのであろうか?本報では, いくつかの形状設計課題を, 図法幾何学と3D-CADにより解き, 両者の解法を比較することにより, 3D-CADによる形状生成における図法幾何学の有用性を検証する.
  • 西原 一嘉, 西原 小百合, 安富 雅典, 新関 雅俊
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 17-21
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    近年、自動車メーカーや家電機器メーカー等の設計製図分野では、3次元CADでの設計が主流になっている。メーカーの用途によって、種々の3次元CADが使われている。ただ、3次元CADは形状の表示には優れているが、問題点も多い。例えば、機械設計分野などの製作図面に直すとき、寸法記入がうまく出ない。手直しの必要があるという事で、あまり効果を挙げていない。そういった問題が残されているが、実際にはどんどん普及している。大学においても3次元CADを教育する機関が増えてきている。そこで本研究では、図学・製図教育に積極的に取り入れるための研究を行った。ただ、3次元CADは図形の解析に難があるので、図形科学 (図学) の分野への導入を検討した。具体的には、図学の種々の作図問題を3次元CADで解析を行った。さらに、図学においても建築分野では1角法、機械の分野では3角法である。2つの方法は平面の扱いや陰影の扱いの点でうまくマッチしていない面もある。3次元CADを導入することで、1角法的な考え方と3角法的な考え方の統合を図った。
  • 大月 彩香
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 23-25
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    図法幾何学は, 「ものつくり」とともに体系化され発展してきた学問だと考えることができる, 今日では「ものつくり」のツールも三角定規とコンパス等からCGやCADに置き換わった.図法幾何学においてもツールに依存する部分が大きく, 時代にあったものに発展させて行く必要がある.三次元CADを用いた図法幾何学の解法を通して三次元CGの場合と比較し, その特徴について考察した.
  • 東 正毅
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 27-32
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    自動車などの意匠曲面形状を対象としたCADシステムは, 単に数学的な表現式を用いただけでは実現困難である.本稿では, デザイナ意図に基づいて意匠形状を具現化するために, 筆者らが自由曲面に関して行ってきた具体的な研究内容を中心に紹介する.まず, 意匠曲面の評価の体系化と, 曲率変化が滑らかな高品質曲面を創成するための縮閉線を用いた曲面の生成法と表現法を述べる.続いて, 意匠設計の初期段階で自由に形を修正するための曲面変形法に触れ, 立体形状での造形結果を計算機に入力するためのメッシュの処理法を述べる.最後に, 意匠形状をパラメトリックに設計するための手法を述べる.
  • 古田 陽介, 三谷 純, 福井 幸男
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 33-38
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    折り紙の愛好家が世界に広がるとともに、近年インターネット上で作品を公開するサイトが増えている。しかし作品の写真と展開図しか公開していないことがあり、その展開図から作品の折り上げるための手順は現実世界で試行錯誤しなければ求めることができなかった。本プログラムではその試行を計算機上で行うことを目的とし、本論文ではそのためのデータ入力および対話的な操作のためのインターフェースについて述べている。
  • 三谷 純
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 39-44
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    対象を平坦に折りたたまれる折紙に限定することで, 山折, 谷折および輪郭線から構成される展開図から, その折紙が折りたたまれた状態の外形を決定できる.しかし, 折紙の構成面素 (折り線に囲まれた多角形) がどのような重なり順になるかを推定することは, 構成面素同士の干渉を考慮しなければならないため難しい問題である.本稿では, 計算機内に構成面素を重なり順に格納するスタックを用意し, 実現可能な重なり順を総当たりで調べ上げる手法を提案する.さらに, 実現可能な面の重なり順から, 折紙作品として見たときに, 同一な解を除き, 異なる作品となる場合の数だけを数え上げる手法を提案する.
  • 柿沼 よしえ, 堤 江美子, 近藤 邦雄, 三谷 純, 宮原 進, 鈴木 浩之, 飯田 芳幸
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 45-50
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    高齢者を対象に、体形人台モデルを介した衣服設計システムを開発した。本システムの特徴的な機能は、専門技術者が高齢者の体形をみてそれに対応する体形人台モデルを選択、必要な計測点を採寸することによって、顧客の人台データを生成し、これを展開して型紙を作製することができることである。このために、熟練者の技能、知識である (1) 体形分類した情報、 (2) ゆとりの与え方、 (3) 型紙生成のためのデザイン線 (切り替え線) を衣服設計システムで取り扱えるようにした。このシステムにより製作した型紙で婦人ジャケットとデザイナーに依頼した高級婦人服ジャケットの評価試験を行ったところ、技術的には、高級婦人服仕立てには及ばないが、顧客の体形に合った着やすい衣服が作成できた。
  • 寺尾 正孝, 佐藤 尚
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 51-54
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本論文では, 数理形態学 (Mathematical Morphology) の演算を使用して, 毛筆による自由描画の実現方法を述べる。今回の研究で考案した手法は, 数理形態学の基本演算のひとつであるdiationを適用してできる楕円形のブラシをマウスで自由に動かすことで「点」, 「線」を表現し, 書道特有の用筆法である「とめ」, 「はね」, 「はらい」はdilationを適用した円形のブラシを用いることで表現した。また, ブラシは通常, 筆の進入角度として適当な45度に傾かせているのだが, 右下などにマウスを動かすと極端に筆が細くなってしまう。そこで, マウスの軌跡から一次関数を見出し, その一次関数の傾きによって筆の進んでいる方向を検知して, その傾きが正か0のときは, 描画する筆を45度傾けたものにして, 傾きが負のときは, 描画する筆を90度傾けたものにすることで筆の太さを調節するようにした。
  • 造形要素の組み合わせによる造形メソッドとディジタルアーカイブの利用
    久保村 里正
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 55-58
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究では基礎造形の授業で利用をする事を目的とする、基礎造形作品のディジタルアーカイブ (digital archives) 註1の制作を行った。
    このディジタルアーカイブは、「造形要素の組み合わせによる造形メソッド」で構造的された、色・形・コンポジション・テクスチュアといった基本的な造形要素と、それに連なる下位の従属造形要素を精査し、アーカイブの情報として必要な各造形要素をインデックスとして再構成を行ったものである。制作されたディジタルアーカイブは、作品資料をディジタルデータにする事によって、大量の情報をコンパクトに、そして大量に保管するという特徴を持っている。またディジタルデータ化をすることによって、手軽で簡単に大量の資料を持ち運び利用出来るだけではなく、インデックスによる資料の検索や、デジタルデータによる資料の提示など、行える機能を有しており、効果的な授業を行うことが可能となっている。
  • 佐久田 博司, 斉藤 広美, 矢吹 太朗
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 59-62
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    図法幾何の紙筆による作図演習の課題作成配信および, 対応する模範解答の生成により個別学習者用に固有の課題を課すことが可能なシステムを開発し, 実装した.課題はAcrobat形式の可搬なファイルとしてサーバ上で生成するため, 学習者が自宅などから操作可能である.システムは, 図形データ作成のためのクラスライブラリとサーバサイドプログラムおよび, データベースから構成されており, 学習者の個別の情報に応じてデータベースから検索されるパラメータ情報によって異なる課題を生成する.模範解答がそれぞれの課題について同時に作成されるため, 採点管理の作業軽減が可能となる.
  • 加藤 道夫
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 63-68
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ル・コルビュジエは旅行スケッチや建築設計過程において通常の遠近法に従わないスケッチを残している. 本研究では, これらのスケッチの特性を彼の著書『建築へ』における「軸線」の記述と対応させて分析し, 以下の仮説を検証した. 1) 彼のスケッチには「軸線」という読みとられた秩序が内包されている. 2) 彼のスケッチには「軸線」の把握の結果, 何らかの形で空間に歪みが生じている. 3) 彼のスケッチにおける「壁」の表現を見ることで, 読み取られた秩序, すなわち「軸線」が理解できる. 以上の特性は, 彼独自の空間了解の形式, 特に視線方向に特化した主観的空間把握に基づくといえる.一方で平行投影を用いて, 物理的距離を正しく表現する客観的把握も併用する. つまり, ル・コルビュジエのスケッチにおいては, 主観的把握における透視図風スケッチ, 客観的把握における直投影図という二つの図法の使い分けが見られることを明らかにした.
  • 石川 愛, 鈴木 広隆
    2006 年 40 巻 Supplement2 号 p. 69-72
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    近年、犯罪の多発によって人々の治安に対する不安感が年々増加しており、特に不特定の標的を対象とする街頭犯罪は、一般市民誰もが遭遇する可能性のある身近な犯罪として問題視されている。そこで本研究では、街頭犯罪の1つであるひったくりを対象として、道路ネットワークデータを用いることで犯罪遂行現場となる道路上の見通しを求めてひったくり発生との関係について調査し、さらに主要都市施設とひったくり発生との関係について分析を行う。
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