2007 年 41 巻 Supplement2 号 p. 123-124
図法幾何学的解析手法は、コンパスと三角定規を使用したものに特化されてきた。ツールがコンピュータ上のアプリケーションへ移行するとともに、それが時代遅れになるのは当たり前といえる。しかし、人間は目に映る投影画像を介して三次元空間を理解せざる得ないという事実は、ツールが変わっても変わらない。図法幾何学的解析手法が時代遅れとなろうとも、図法幾何学的な発想自体が全く不要になるとは考え辛い。たとえば、3D-CGではうまく直接的に解決できない問題も多く存在する。そもそも図学教育の目的はコンパスと三角定規による解析手法を教えることではなく、図法幾何学的発想法を教えることではなかろうか。本報告では、ツールに捕らわれることのない, 図法幾何学的発想法とはそもそも何か、ということについて考える.