2007 年 41 巻 Supplement2 号 p. 5-10
設計され作られたものが, 所期の目的を果たしてゆくためには, 環境全体が, その設計物の「外部構造」である.即ち, 「経験を越えた構成因」とか「見えていない体系」の支えによっている.従って, 構成要素間の写像関係は, 設計上では (1: 1) であるが, 実際には (1: 多) という「現実にない理性」のもとにある.
日本の思想の中には, 検討し直せば, 現代にも通用し, そればかりか, 従来の西洋を中心とした哲学では思いもかけない新しい発想が生まれる可能性があるのではないか.このような考え方は, これからの「ものづくり」に大切なものである.