2007 年 41 巻 Supplement2 号 p. 91-100
金沢都心部および新都心部における眺望景観を対象として、眺望全体とその部分景に対する印象評価を行った。同時に、全体景および部分景に対して画像解析を行い、ゆらぎやテクスチャ特徴量などの画像特徴量を計測した。印象評価についてはSD法を用いた測定を行い、伝統感・親近感・賑わい感・単調感の4つの共通因子を抽出した。その結果、これら4つの因子に対しては、部分景よりも全体景の印象が強く反応している傾向が確認できた。また、画像特徴量に関しては、金沢都心部に対する「伝統感」の印象評価とゆらぎ・テクスチャ特徴量の間に高い相関関係があることが確認できた。以上の研究結果に対して、金沢都心部の景観要素や景観構成との関連から考察を加えた。