日本在宅血液透析学会誌
Online ISSN : 2435-2519
透析技術
在宅血液透析患者教育における動画マニュアルによる自宅学習の有用性について
福留 悠樹吉岡 典子藤原 健司長野 圭吾道脇 宏行岡田 一義
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2024 年 4 巻 1 号 p. 28-32

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抄録

7年以上在宅血液透析(home hemodialysis:HHD)を実施した患者(HHD患者)1名の個人用透析装置(現行機)が製造中止となり,部品供給が停止した.そのため同メーカの次世代装置に更新することとしたが,現行機と比較し一部操作方法の異なる箇所が認められたため,操作方法の再教育が必要となった.しかし当院が新型コロナウイルス感染症の基幹病院となり,次世代装置を使用した対面での教育が困難となったため,打開策として動画を使用した自宅学習を行い評価した.結果,動画を用いた自宅学習で実技テストは大きな問題もなく合格した.次世代装置へ入れ替え後,患者の手技に関するトラブルは報告されなかった.患者からは頻回な通院や入院が必要なかった点が評価された.本評価から動画による自宅学習の導入は有用であり,HHD患者に対する教育の向上を見込める有用なツールに成り得ることが示唆された.今後HHDの導入時の自己穿刺等についても内容の充実,教育期間の短縮に繋がる可能性がある.

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© 2024 一般社団法人 日本在宅血液透析学会
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