2024 年 4 巻 1 号 p. 28-32
7年以上在宅血液透析(home hemodialysis:HHD)を実施した患者(HHD患者)1名の個人用透析装置(現行機)が製造中止となり,部品供給が停止した.そのため同メーカの次世代装置に更新することとしたが,現行機と比較し一部操作方法の異なる箇所が認められたため,操作方法の再教育が必要となった.しかし当院が新型コロナウイルス感染症の基幹病院となり,次世代装置を使用した対面での教育が困難となったため,打開策として動画を使用した自宅学習を行い評価した.結果,動画を用いた自宅学習で実技テストは大きな問題もなく合格した.次世代装置へ入れ替え後,患者の手技に関するトラブルは報告されなかった.患者からは頻回な通院や入院が必要なかった点が評価された.本評価から動画による自宅学習の導入は有用であり,HHD患者に対する教育の向上を見込める有用なツールに成り得ることが示唆された.今後HHDの導入時の自己穿刺等についても内容の充実,教育期間の短縮に繋がる可能性がある.