2012 年 23 巻 1 号 p. 64-73
本稿は、民間研究費獲得の実際として、筆者が獲得した「作業療法ジャーナル研究助成」について紹介するものである。「作業療法ジャーナル研究助成」は、三輪書店の公刊する『作業療法ジャーナル』という雑誌内で行われている。このような出版社による研究助成はめずらしい形態である。出版社、受賞者双方に取材を行ったところ、出版社にとって、本研究助成は作業療法の専門性の発展のために行うという発意があったこと、また受賞者にとっては、資金を得たことで研究に取り組みやすくなったり、他職種からの理解や協力を得られやすくなったり、同業者に自分の研究を知ってもらえたりする等により、研究意欲を掻き立てられる良い機会になっていることが明らかになった。