抄録
症状や機能障碍に関する医師の診断をもとに障碍者の認定と障碍程度の認定がなされ、それを用いて障碍者福祉サービスの支給決定がなされてきたが、リハビリテーションや環境改善などの取り組みの結果、機能障碍と参加障碍の相関が弱まってきた。そこで近年障害程度区分制度の開発などによって対応をはかってきたが、基本的には医学モデルの枠内での対応であり、障碍者の法的な範囲の面でも支援ニーズの評価の面でも問題がますます顕在化しつつある。さらに障害者権利条約は医学モデルからの脱却を促している。専門的でかつ障碍当事者の意見表明を組み込んだ個別ニーズ評価のシステムへの移行が求められている。