保健医療社会学論集
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原著
過疎地域における地域密着型看護師の専門性 ——山形県小国町の訪問看護師の実践と語りから——
山田 香
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2020 年 31 巻 1 号 p. 73-83

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抄録

近年の疾病構造の変化、少子高齢化を背景に、ルーラルナース、コミュニティナースといった地域密着型のケアを担う看護師が注目されている。本稿では、過疎地域である山形県小国町の訪問看護師の実践に着目し、介護力低下が進む地域における地域密着型看護師の専門性を明らかにすることを目的とする。小国町立病院訪問看護ステーションの訪問看護に同行し、参与観察および看護師へのインタビューを行い、実践されたケアを質的に分析した。その結果、小国町の看護師は、豪雪地帯特有の地縁血縁のつながりやそれを生んだ家族・地域の歴史を尊重したケアを実践していた。看護師が医療者と生活者の両方のフレームを持ちえる「生活者としての看護師」であることが「生活者としての患者・家族」の意思決定の文脈に添える医療者としてのスキルを生み、これらが地域密着型看護師の専門性であることが示唆された。

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© 2020 日本保健医療社会学会
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