抄録
がんゲノム医療の時代を迎え,日本のがん医療は大きく変わりつつある.しかし,看護師が果たすべき役割はいまだ手探りの状態である.看護師ががんゲノム医療に携わるためには,がん看護や遺伝医療に関する知識や経験が必要である.本稿では,がん看護専門看護師として4回の更新認定を経るなかで筆者が経験した家族性腫瘍への関心,米国で見聞した遺伝カウンセリングの実際,がん対策推進計画の変遷,遺伝性腫瘍コーディネーター取得の経緯,がんゲノム医療連携病院での現状を通して,がん看護専門看護師の役割を考える.がん看護専門看護師の役割開発を通して,周囲の看護師と共にがんゲノム医療に携わることで,がん医療に貢献できると考える.