2021 年 21 巻 1 号 p. 16-19
長野赤十字病院がんサポートセンターは,入院・外来で主診療科の重要面談への看護師の同席からカウンセリング,意思決定支援,アドバンス・ケア・プランニング,ケースワーク,緩和ケア病棟/在宅緩和ケアとの連携等につなげている.このセンター内にゲノム医療連携室を設置し,臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーを非常勤で配置し継続的な研修を行った.その結果,がんゲノム医療関連の面談同席から適切な相談支援,介入,継続フォローにつなげることが可能となった.がんゲノムプロファイリング検査適用症例の選択や患者,血縁者のサポートにあたり難治がんに介入してきた経験が活かされる可能性がある.主診療科と遺伝部門,治験施設,緩和ケア施設など関係諸機関との連携も円滑に行える体制となった.また,医療者として患者の価値観や家族との関係性などに関する情報を共有し,倫理的課題に適切に対処し,継続的に専門性を高めながらケアに活かしていくことが期待される.