遺伝性腫瘍
Online ISSN : 2435-6808
臨床経験
包括的ゲノムプロファイル検査における二次的所見の検出遺伝子と表現型の一致の検討
加藤 花保鈴木 修平佐藤 千穂菅原 恵天野 吾郎今野 亜希湖堤 誠司鈴木 民夫
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 22 巻 3 号 p. 80-84

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抄録

 山形大学医学部附属病院は,2019年にがんゲノム医療拠点病院に認定を受けた.県内に2施設あるがんゲノム医療連携病院と連携を取り,包括的ゲノムプロファイル検査(Comprehensive Genomic Profiling;CGP)を実施している.2019年11月~2021年5月の期間に245名がCGPを受け,9名で新たに遺伝性腫瘍が確定した.このうち6名は検出された生殖細胞系列遺伝子とがん種に関連があった.また,7名は第3度近親者内に関連腫瘍家族歴があった.NCCNガイドラインの遺伝学的検査基準には7名が該当した.CGP受検者への事前説明においては,一定の症例で遺伝性腫瘍が見つかることを説明することが必要である.また,CGPを受ける前から各主治医が遺伝性腫瘍を念頭に置いて診療にあたり,必要時は遺伝部門へ紹介する院内連携が重要である.

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© 2023 一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会
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