遺伝性腫瘍
Online ISSN : 2435-6808
臨床経験
当院における遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診療外来の実績状況およびBRCA1/2病的バリアント保持者の臨床学的傾向
椎野 翔田辺 記子渡辺 智子垣本 看子吉田 正行渡瀬 智佳史村田 健吉田 輝彦松下 弘道首藤 昭彦高山 伸
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 24 巻 1 号 p. 111-117

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抄録

 遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診断目的のBRCA1/2遺伝学的検査が2020(令和2)年度より保険収載となったことを背景に,当施設ではHBOCに特化した専門外来(通称HBOC外来)を同年4月より開設した.同外来では,乳腺外科医師,乳がん看護認定看護師,認定遺伝カウンセラー同席の下,家族歴聴取とBRCA1/2遺伝学的検査の説明を行い,同検査実施前の意思決定支援を行っている.2020年5月〜2021(令和3)年12月までにHBOC外来を受診しBRACAnalysis®を受けたのは166例であり,20例(12.0%)にBRCA1/2病的バリアントを認めた.一方で,各種課題が浮き彫りになり,かつ医療者の業務上の負担を軽減するための効率よいシステム構築が必要と考えられた.当施設でのHBOC外来実績やBRCA1/2病的バリアント保持者の臨床学的傾向を振り返るとともに,今後の課題・展望を報告する.

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© 2024 一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会
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