遺伝性腫瘍
Online ISSN : 2435-6808
臨床経験
当院における診療科横断的HBOCデータベース構築
木村 香里綿貫 瑠璃奈平岡 弓枝友澤 周子四十谷 美樹松川 愛未原野 謙一田部 宏桑田 健大西 達也
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2024 年 24 巻 1 号 p. 118-122

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抄録

 当院では,遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診断目的でのBRCA1/2遺伝学的検査は各診療科で実施し,病的バリアントが認められた場合には主治医より遺伝子診療部門に紹介,遺伝カウンセリング(GC)を行っている.近年,HBOC診療の重要性が増しており,HBOC診療の質を担保するためにも検査数,GC受診,リスク低減手術の実施状況などを診療科横断的に把握・管理できる体制が必要と考え,当該診療科が連携しHBOCデータベース(DB)を構築した.これにより,GC対象患者の拾い上げや,認定遺伝カウンセラーから主治医へのGC受診のリマインドが効果的に行えるようになり,各診療科と遺伝子診療部門との連携が深まり,HBOC診療の質向上に繋がった.また,DBの情報を通じて病的バリアント保持者へリスク低減手術の実施状況について最新の情報提供ができるようになった.診療科横断的なHBOCのDBの作成・運用は遺伝性腫瘍の診療支援の体系化に寄与する.

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© 2024 一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会
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