抄録
カナダ・マニトバ州の北方常緑針葉樹林帯にあるフラックスサイト"NSA-OBS"において,各種衛星指標の季節変化の傾向を植生の生育開始時期に着目して考察した.植生の生育開始時期は生態系純生産量(NEP)が正に転じる時と定義した.解析の結果,積雪指標S3が最後に負になる時と植生の生育開始時期との間によい対応関係が見られた.積雪指標S3=0は雪の有無を判断するしきい値である.また,対象地域において雪とCO2フラックスの関係性について論じられた研究がないことから,消雪が植生の生育開始の引き金になっている可能性が本研究によって初めて示された.