抄録
対象物を多方向から放射観測することにより,その反射輝度の変化を表したものを方向別反射特性(BRDF)と呼ぶ。近年衛星リモートセンシングの分野では,BRDFを観測し,それを用いた詳細な植生分類や,樹高などの三次元的な植生パラメータの推定が期待されている。そこで本年度の研究では,八ヶ岳のカラマツ林のタワーにてBRDFの日変化と季節変化の観測を行った。
同一日に複数回BRDFの観測を行った結果,BRDFは観測時の太陽天頂角に依存して日変化した。BRDFの特徴を現す指標HDS(Lacaze et al.,2002,)の値と観測時の太陽天頂角には線形の関係が見られた。また,観測時の太陽天頂角が36°のものを選出し,晩夏~晩秋のHDSの季節変化を検討した結果,秋にかけてHDSの値は減少していき,BRDFの季節依存性が分かった。