抄録
本研究では,1981年から2005年の池田湖において,気象要素が湖面蒸発量におよぼす影響について数値解析に基づいて検討を加えた.月および年平均の湖面蒸発量は,湖面と大気間の温度差および水蒸気圧差と高い相関を示した.特に水蒸気圧差は7月から10月の湖面蒸発量の季節変化を特徴づける.また感度解析の結果によれば,湖面蒸発量に最も影響をおよぼす気象要素は日射量である.月単位の検討において日射量が10 %増加した場合,湖面蒸発量は最大0.54 mm/d増加し,月別の湖面蒸発量に対する相対値で最大38.6 %増加する.