抄録
集中豪雨の発生に関連すると思われる気象データに対して、機械学習のアルゴリズムである畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の応用を考えた。そこで、CNNを用いた集中豪雨の発生予測モデルを考案し、集中豪雨の近似的な予測として降水量に閾値を設定することで、AMeDASの10分ごと観測値を用いて定性的な集中豪雨の発生予測に試みた。実験の結果、データ全体に対しては十分な予測精度を得ることができた一方で、誤警報が課題であることが分かった。また各降水量の閾値に対し、予測精度において一定の挙動が確認できた。ここで、予測間隔が大きくなるほど予測精度が下がること、閾値が高くなるほど誤った予測の数は減るが集中豪雨の予測自体は難しくなることが分かった。結論として、本研究では、任意に作成した気象データを用いて集中豪雨の発生予測に対するCNNの適用が可能であることが示された。